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製品&サービス

■キーワードは「アニメーション表示」と「厳密な事業評価」

現在、地球温暖化を防ぐため、CO2の大幅な削減が緊急課題となっています。これに伴い、クリーンで環境に優しい風力エネルギー(自然エネルギー)の有効利用に注目が集まっています。日本でも数基の風車から、数十基の風車から構成される大型のウィンドファームに至るまで、風力発電施設は急速に増加しています。

風車の発電出力は風速の三乗に比例するため、風況の良好な地点を的確に、かつ、ピンポイントに選定することが重要です。特に日本では、下図に示すように流れの衝突、剥離、再付着、逆流などの風に対する地形効果を考慮することが重要です。今後の風力発電施設は、山間部などのより厳しい場所に設置せざるを得えません。したがって、これからの風力発電施設の事業評価は、より厳密に、かつ、より高精度に行う必要があります。

我々は 「アニメーション表示」「厳密な事業評価」をキーワードに、RIAM-COMPACT®(Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, COMputational Prediction of Airflow over Complex Terrain、リアムコンパクト)と称する画期的な非定常・非線形風況シミュレータを開発しました。風力発電で最も重要な要素である風況特性を、極めて簡単な操作でアニメーションにより視覚化可能です。現在、風力発電導入時の最重要検討課題である「複雑地形上の風の乱れ(地形乱流)」を事前に把握・評価できます。また同時に、野外風況データに基づいた年間発電量(kWh)や設備利用率(%)の試算、風車立地点における風配図や風速の鉛直プロファイルの表示も可能となっています。

■可視化ギャラリー

■実地形版RIAM-COMPACT®ソフトウェアの主な特長

  • 非定常・非線形の流体工学CFD(Computational Fluid Dynamics)モデル

  • RANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes)モデルよりも有望視されているLES(Large-Eddy Simulation)乱流モデルを採用することにより、複雑地形上の「風の道」「風の乱れ」をアニメーションとして再現可能

  • 地理情報システムGIS(Geographical Information System)とCFDの強力な相互連携により、国内外を問わず、世界中のあらゆる平坦地形と複雑地形に適用可能

    (実用新案:【流体解析支援システム】、登録第3128436号)

■各種風況予測モデルの比較

「線形」、「非線形」とは・・・ 「定常」、「非定常」とは・・・

■ 非定常・非線形モデル(RIAM-COMPACT®)の結果

非定常・非線形モデル(RIAM-COMPACT®)の結果非定常・非線形モデル(RIAM-COMPACT®)は、我々が日常、目にする風の流れのイメージです。風の乱れなどが直感的に把握できます。非線形モデルは平坦地から急峻な複雑地形まで適用可能なモデルです。

■可視化ギャラリー

■ 定常・非線形モデルの結果、RANS

定常・非線形モデルの結果定常・非線形モデルは、上記の結果を時間的に平均したイメージです。

■ 線形モデルの結果

線形モデルの結果線形モデルは平坦地向けのモデルです。急峻な複雑地形に適用した際には、流れの剥離(逆流域)などを予測することができません。

■ 参考論文

  • 「風車の故障を減らして期待通りの発電量を得るためには」
    内田 孝紀,日本風力エネルギー学会誌,通巻102,2012
    >> PDFファイル (300KB)
  • 「新設および既設風車に対する厳密な風況診断の必要性」
    内田 孝紀,日本風力エネルギー学会論文集,Vol.36,通巻101,pp.10,2012
    >> PDFファイル (210KB)
  • 「陸上風車に対する数値風況診断の必要性
    ―地形乱流に起因した事故などを防ぎ,風車寿命を全うするために―」
    内田 孝紀,日本風力エネルギー学会論文集,Vol.35,通巻100,pp.4,2012
    >> PDFファイル (164KB)
  • 「風力発電分野における数値風況予測技術の最前線」
    内田 孝紀,日本風力エネルギー学会論文集,Vol.35,通巻100,pp.21,2011
    >> PDFファイル (236KB)
  • 「流体工学CFDモデルを用いた連続的な風向変化の再現性について」
    内田 孝紀,丸山 敬,大屋 裕二,
    日本風力エネルギー学会論文集,Vol.35,通巻99,pp.7-13,2011
    >> PDFファイル (0.6MB)
  • 「RIAM-COMPACT®によるウインドリスク(地形乱流)の数値診断
    ―愛知県渥美風力発電所を例として―」
    内田 孝紀,大屋 裕二,川島 泰史,猿渡 和明,西田 利彦,
    日本風力エネルギー学会論文集,Vol.35,通巻99,pp.14-23,2011
    >> PDFファイル (0.6MB)
  • 「白滝山ウインドファームの風車ブレード損傷事故の原因解明
    ―コンピュータシミュレーションによるアプローチ―」
    内田 孝紀,丸山 敬,石川 裕彦,座古 勝,出口 啓,
    風力エネルギー協会誌,Vol.34,通巻.96,pp.77-84,2011
    >> PDFファイル (1.4MB)

計算格子作成ソフト〜RC-Elevgen〜



Askervein Hillの例

  • 国土地理院の50mMEM標高データ、北海道地図(株)の10mHGF標高データが利用可能
    (注意:これらの標高データは別途購入が必要)
  • 紙地図、DXF(Data eXchange Format)形式のCAD(Computer Aided Design)データ、衛星データなどから作成した任意地点の高解像度標高データ(GIS標高データ、経緯度ASCII標高データ)が利用可能
    (注意:これらの標高データは弊社から別途購入が必要)
  • 水平方向および高度方向の格子幅編集が可能(可変メッシュ)
  • 計算格子節点上の経度・緯度情報データが出力可能
  • 観測ポールや風車位置を10進経緯度で指定することでシンボル表示が可能
  • 16風向別の計算格子の一括保存が可能

■ 計算格子の特徴

  • 水平方向:直交直線分布
  • 高度方向:地形形状に適合し、地面付近は密に分布

地表面粗度付与サービス〜RC-RoughnessMaker〜

Askervein Hillの例
カラーは土地利用を表します。
黒点は計算格子を表します。

  • ユーザが作成した公共座標データに基づいて、計算格子節点上の土地利用データ
    (地表面粗度情報)がインターネットを利用してオンラインで取得可能
  • 上記データを風況ソルバーに入力すれば、地表面粗度の影響を考慮した計算が可能
    (但し、年間保守契約後に発行される個別のユーザIDとパスワードが必要)

風況ソルバー〜RC-Solver〜



  • マルチコアCPUおよびGPGPUに対応し、高速自動並列計算が実現
  • 数個の計算パラメータ、入力ファイル、出力先フォルダを指定するだけで計算がスタート
  • 風速3成分の時系列データを最大50点出力可能

■可視化ギャラリー

  • 3次元孤立地形周辺流れ場
  • 約220万点の格子点
  • 約800MBのメモリ量

マルチコアCPU(上)とシングルGPU(下)の計算速度の比較

■ 参考論文

  • 「インテル次世代ハイエンドCPU「Sandy Bridge-EP」を用いたRIAM-COMPACT®のOpenMP並列風況シミュレーション
    ―ここまできた!デスクトップPC1台による大規模計算とその高速化―」
    内田 孝紀,日本風力エネルギー学会論文集,Vol.36,通巻101,pp.82-85,2012
    >> PDFファイル (652KB)
  • 「GPGPUコンピューティングによる数値風況予測技術RIAM-COMPACT®の高速化」
    内田 孝紀,大屋 裕二,風力エネルギー協会誌,Vol.35,通巻98,pp.78-84,2011
    >> PDFファイル (0.7MB)

計算結果可視化ソフト〜RC-Scope〜

Askervein Hillの例

  • 計算格子
  • 速度ベクトル(左図)
  • 等値線、等値面
  • カラーシェーディング
  • 流線
  • 流跡線
  • 流脈線
  • 粒子追跡線(右図)
  • タイムライン
  • サーフェスパスレンダリング
  • ボリュームレンダリング

などの種々の可視化技術が標準実装

 

可視化ギャラリー

発電量評価ソフト〜RC-Explorer〜

  • 16風向別の計算結果を入力データとし、野外風況データとの相関を考慮した年間発電量(kWh)、設備利用率(%)、風配図などが出力可能
  • ウエイクロスが考慮可能
  • それらを地図の上に重ねて表示可能
  • 上記のXML(eXtensible Markup Language)形式のレポート機能が装備
  • 風車の任意立地点における風配図、風速の鉛直プロファイルが出力可能
  • 任意地上高における風況図が出力可能
  • 野外風況データの出現頻度を考慮した16風向合成風況図(局所風況マップ)が出力可能
  • 風車受風面内の風の吹き上げ角度や吹き下げ角度が出力可能
  • 風況データをGoogle Earth形式で出力可能
  • 『風力発電設備支持物構造設計指針・同解説 2007年版』(土木学会)、『建築物荷重指針・同解説(2004)』(日本建築学会)に準拠した方法により、風車立地点における設定風速が評価可能

■実地形版RIAM-COMPACT®ソフトウエアの応用分野

  • 風工学分野

    ・山間部の地形性局地強風の発生メカニズム解明
    ・山間部の送電鉄塔周辺の風害対策
    ・台風に伴う歴史的建造物の風害対策
    ・竜巻に伴う風害対策

  • 鉄道分野

    ・突風・強風時における鉄道の安全運行支援システム構築
    ・線路周辺の風害対策、風況マップ作成

  • 航空・船舶分野

    ・離島空港建設のための風況アセスメント
    ・大型タンカー接岸ルート支援システムのための風況予測

  • 森林分野

    ・台風に伴う風害対策のためのハザードマップ作成(強風域特定)
    ・山火事の延焼域の予測
    ・山火事の煙、火山ガス、大気汚染物質、花粉などの移流・拡散予測

  • レジャー分野

    ・ヨットレース、フィッシング、ゴルフ、バルーンなどを対象にした風情報配信サービス


竜巻に伴う風害対策

山間部の地形性局地強風
の発生メカニズム解明

火山ガスの移流・拡散予測
三宅島の場合

山間部の送電鉄塔周辺の風害対策